気胸との出会い (1回目/左)
何事も初めては怖いものである。最初の気胸は高3の夏休みであった。受験生にとって最も重要なこの時期に気胸になってしまったのである。
それは突然やってきた。
夜、いつものようにシャワーを浴びているといきなり胸に激痛が走ったのである。まっすぐ立っていられないくらいの痛みですぐにかがんで呼吸が楽にできる態勢に切り替えた。この時は気胸の存在を知らなかったため心筋梗塞か何かで死ぬんじゃないかとも思った。とにかくすぐに風呂を出て楽な態勢を取った。体操座りのような姿勢でいれば何とか息はできたためしばらくその姿勢でいたがもう寝る時間も近づいていたので横にならなければならなった。
ここで怖かったのはこの原因がわからないことだ。無知とは恐ろしいものである。
その時丁度エナジードリンクを飲んでいたのでそれが胸に響いたのかとも思っていた。とにかく寝たら少しは落ち着くのかと思い、とりあえず寝た。
しかし、次の日起きてみるとまだ余裕で痛い。これは呼吸が苦しいレベルで放っておくとやばそうだったので病院に行った。
すると、自然気胸と診断された。当時はなんだそれ?という感じであったがナイナイ矢部がなった病気と聞いて少しピンときた。気胸の程度は軽度であり自然治癒できるレベルとのことで手術や処置は特になかった。初めての気胸だったため軽度でも痛みが強く感じられたのだろう。
2週間ほど経つと楽になり、肺の膨らみも無事戻った。これが最初の気胸体験であった。